「獲物がいない」
生態系ピラミッドの頂点に立つとされる猛禽類-オオタカでしょうか?-が、獲物がまったくいない、荒れ果てたかつての森を呆然と見ている様子が、とにかく強いインパクトを与える作品です。こんな状態にしないために、私たちがなにをすべきなのか、みんなで考えて、行動しようという思いが伝わってきます。
一つのものが無くなるとその影響で全体が消えていく、自然はそんな「お互いさま」の関係で繋がっています。人間の欲望によって無計画に木が切られることで、そこで餌や住み家を持っていた虫や、またそれを餌にしていた小動物もいなくなり、ここに描かれた猛禽類も住むところや食べるものも無くなってしまいます。よく勉強された生態系の知識に基づくメッセージを、オレンジの色相に絞られた美しい画面に、鳥の物悲しい表情によって切なく表現されています。
猛禽類の目つきに、私たち人類の未来を深く考えさせる力を感じました。炎のような背景、赤からオレンジへの光のグラデーションと立体感、救いを求め手を広げているかのような伐採樹木、心細さを感じさせる猛禽類の足の爪。不安の中の意志、なんとかしなくちゃ、逃げちゃいけない、と言っている気がして。はい、がんばります、とつい答えたくなっちゃいます。
「ゆたかな森」
森や地球上にはいろいろな生物が暮らしていて、その一員として人間も存在しているということが、とても細かく上手に表現されている作品です。昆虫、爬虫類、哺乳類、鳥類、植物など、多様な生物が描かれています。こうした多様な生物を守っていくことは、人間にとっても良い環境を作り上げていくことにもつながりますね。
森はいろいろな力を持っていて、海や空気にも影響を及ぼすことを勉強したのですね。その大切な森がどんどん消えていく様子や、みんなで守らなければならないという作者のメッセージが伝わってきます。この絵の中には、よく見ると色々な種類の生き物が描かれています。作者が気持ちを込めたおかげで、それぞれの生き物の表情に困っていることや願いが生き生きと見とることができます。
自由な構図に心を惹かれました。よく見てみると、だまし絵のように、表情豊かな動物たちが描き込まれているのを発見することができます。群れになって必死に訴えているのはお口が立体的に開いている魚たち。蛇がとぐろを巻いて守っているのはたまごでしょうか。木の陰から様子を伺っている虎のような鋭い目つきの動物はネコ科の哺乳類でしょうか。それを見ている猪や木のウロの中のヤマネのつぶらな瞳も印象的です。なんだかストーリーがあって描かれているかのような、想像力を刺激される魅力的な絵です。
「迷子にさせないで」
プラスチックによる海洋汚染と海の生き物への深刻な影響が世界的問題となるなか、そうした状況についてとても優しい目線と繊細なタッチで表現しつつも、ワンウェイプラスチックの使用やポイ捨て行為に対して強い警鐘を鳴らそうとしていることが伝わってくる作品です。かわいらしいウミガメの赤ちゃんを守るために行動しなくては‼という気にさせられますね。
ウミガメは卵からかえると、すぐに海に向かって歩き出し海水に入って泳ぎだす習性があるのですね。大昔からそうやって生きていたのに、近頃になって人間が無造作にゴミを海岸に散らかすおかげで、なかなか海にたどり着けなくなっているのですね。この絵には、ウミガメの赤ちゃんが困っている様子と、何も考えない人によって散らかされたゴミの様子が、見るものによく分かるように描かれています。砂の粒や波も丁寧に描かれ、ウミガメの赤ちゃんになった作者の優しい気持ちがよく表れています。
明るくシンプルな色と構図の中に、ウミガメの赤ちゃんが置かれた厳しい現実と未来が、対比として力強く描かれていて、感心しました。特に、ウミガメの赤ちゃんの顔と手足と甲羅を駆使した表情の表現は、見事に観る人の共感とドキドキを引き出します。あれ、そのままいったら、ビニール袋に入っちゃうよ、行き止まりだよ、ちっそくしちゃうよ。自然の中の小さな命をよく見よう、観察しよう、そして大事にしよう、という強い強いメッセージを確かに受け取りました。この絵が多くの人の目にとまりますように。
「きれいな海」
サンゴの産卵の様子とそれをチンアナゴが眺めているところでしょうか。きれいな色彩とやさしいタッチで、生命が息づく豊かで奥行きのある美しい海を、とても素直に表現している作品です。こうしたきれいな海とそこに暮らす生き物を守っていくために、私たちは何をすべきなのか、みんなで考えて、行動していく必要がありますね。
人間が汚す前は、こんなきれいな海が地球上のいたるところにあったのでしょうね。この絵からは、美しい海への願いが感じ取れます。ただ青い絵の具を塗るのではなく、いろいろな水色を使ったことで、画面に奥行きが生まれ、海水の透明感を表現しています。爽やかな白の魚が穏やかな表情で泳ぐ姿や、クリーム色に漂っている細かなものが、水中の波の揺らぎを感じさせます。赤いサンゴが全体を引き立て、高い技術を駆使した強いメッセージとなっています。
色がとても美しい。海を表現する青のグラデーションに、光なのか、白いつぶつぶ。白い生き物。魚でしょうか。そして、ハッとするような赤。珊瑚でしょうか。色数は少ないのに、奥行きと海の中の風のような、水の流れを感じる、気持ち良さ。長い間見ていても飽きない、不思議な、癒しの力を感じます。ああ、ずっと、こんな美しい海の中の風景が続きますように、そのために人間はもっとうんとがんばらなくっちゃ。やるぞー。この絵を見て、この絵に誓う人がたくさん出てくる気がします。
※ 学年ごとに五十音順で掲載しています
「幸せな鳥と不幸な鳥」
「ボク達の知らない地球」
「The Earth is Crying」
「生き物の居場所」
「ともに」
「小さなゴミで未来はかわる」
「自然と動物を大切に。」
「すみかをうばわれる森の動物たち」
「しずんでしまった世界」
「元の緑の町へ」
「未来をひらくにじ色くじら」
「生き物を大切に」
「海の敵」
「宙から見た一つの惑星」
「自然をつくろう」
「花畑の中に」
「動物がおこっている」
「地球花を持った龍 Dragon with earth flower」
「私たちの地球」
「輝け!!生き物の素敵な未来」
「世界のみんなで地球を守ろう」
「エネルギーの行きわたった世界」
「カワセミ」
「食べ物を大切に」
「クジラの伝えたい言葉」
「自然の大切さ」
「大人になった鹿」
「美しい地球」
「科学と自然」
「世界と水」
「海をきれいに」
「夏空」
「白化の原因」
「自然と一つになって」
「森林減少」
「一人一人の世界作り」
「地球の目」
「おうち」
「豊かな自然を守ろう」
「止めろ!地球温だんか」
「人と動物と自然の協力」
「鳥と種子と地球」
「それでいいの?」
「平等な世界」
「豊かな水を未来に」
「みんなで...」
「未来の世界」
「美しい自然」
「ゆたかなくらしと自然の命の両立を」
「地球を守る!!」
「沈んだ世界」
「美しい未来へ」
「環境ガチャで良い未来を引こう!」
「とどけよう!きれいな水を」
「このままじゃ大変!?」
「あざやかな空に咲くぼたんの花」
「水面の共演」
「エコな未来の街」
「なかよしの島」
「幸せの世界」
「すてきなビーチクリーン」
「いっしょの家族」
「じぃじの野菜」
「ひなが育つ明るい森」
「みんなで作る未来の地球」
「きれいな海」
「元気にいきる動物たち」
「『海を大切にして』」
「よごれた町」
「Trash Earth(トラッシュアース)」
「海中生活」
「動物と人間にしあわせな世界を」
「森を見る男のこ」
「いじょうきしょう」
「ゆたかなしぜん」
「動物に囲まれたぼく」
「海がよごれちゃった」
「雪だるまがとける」
「地球があぶない」
「動物と人が力をあわしている。」
「せかいのみんなが、なかよくすごす。」
「川とえび」
「どうぶつをだいじに。」
「夜の生きもの」
「さかながゴミをえさとまちがたべているところ」
「木がなくなっていく」
「くじら」
「きれいな森」
「森を守ろう」
「すてきなまち」
「みんながすみやすい町」
「ひびわれている、あれたとち」
「さるのえ」
「しぜんのもり」
「うみとなんきょく」
「きれいなうみになあれ!」
「たからをさがすぼうけん」
「うみのなかまたち」
「しぜんのいきものをいつまでもたいせつに」
「めいろ」
「ちきゅうしょっかく」
「みんなのもり」